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食品偽装などの事件をあげるまでもなく、食品の期限については消費者の厳しい目が注がれる ようになってきました。 期限を偽装するのは言うまでもないことですが、 期限切れの商品を並べておくことはお店の信用を失墜させることにつながります。 「わざわざ期限を確認しなくとも安心して買えるお店」であることがお客様の信頼を勝ち取る上で重要ではないでしょうか。
もちろんこれは生鮮食品に限った話ではありません。 ペットボトル等の水物、ペットフード、医薬品にも期限はあります。 ある種のキャラクター物などは季節物とさえ言え、テレビ放送が終われば見向きもされないことがあります。 また、最近の家電は製品寿命が短くなっていますし、 機械工具類にしても年月を重ねればホコリやサビなどが発生し商品価値が低くなることがありえます。
期限管理は困難な課題ですが(理由は後述します)、 本システムではできるだけ簡単な操作で期限管理が行えるよう工夫しています。
なお、食品業界では賞味期限と消費期限という二つの別の言葉がありますが、 本システムではこれを「期限」として同じものとして扱います。 2008年2月の報道によりますと、日本政府は「消費者にとってわかりにくい」として、 この二つを一本化する方向で検討を始めたようです。
期限管理を厳密に行うには、商品の個体を識別しなければなりません。 例えば、同じA商品であっても、半年前に仕入れたものと数日前に仕入れたものでは、 期限までの長さが異なるのは当然です。 バーコードからは「A商品である」ということはわかりますが、 生産日や期限などの情報は一切ありません。 バーコードの桁数が少なすぎるうえ、全商品に同じバーコードを印刷しているのですから当然のことです。
もちろん、バーコードとは別に期限が印刷されていますが、機械的にそれらを読み取ることは困難です。 どうしても目視によって確認する必要がでてきます。 個体を識別し、生産日や期限を自動的に把握する方法の最有力の候補は「ICタグ」です。 しかし、これはまだ高価ですから個々の商品につけられることはまだ先の話と思われます。
このように、現状では期限管理を機械的・自動的に行うことは困難であり、 徹底的に行おうとすれば人海戦術になってしまいます。 本システムでは、言うなれば「適度にあいまい・適度に正確な方式」を採用しています。 これは
本システムの期限管理の全体像は以下のようなものです。 いま、A商品について期限管理をしたいとします。
すなわち、複数のA商品について期限の調査を行い、最も早い期限を記録しておき、 その期限が近づいたら調査をやり直すという方式です。
すべての個体について期限を記録することは無駄です。 なぜなら、顧客がそれらの個体のうちのどれを手にとるかわからないからです。 最も早い期限だけを覚えておくことで、 期限が切れているかもしれないという警告を出すのが本システムの方式です。
上の考え方を発展させ、本システムでは実際には次のような方式をとっています。
※本システムでは、最も早い期限日付のことを「最早日」、期限月のことを「最早月」と呼びます。
期限管理するしないはユーザが自由に選択できるようになっています。 また、期限が比較的長期間の商品の場合には年月しか表示されていない場合もあるので、 月単位での管理もできるようにしています。
猶予日数(月数)とは、期限切れになる以前に警告されるべき日付(月)を逆算するためのものです。 例えば、猶予日数を30日にした場合で、期限が5月1日のときはその30日前の4月1日には警告が発生します。 これを使って、賞味・消費期限以前に特売などを行い、期限の近い商品を売り切るということができます。
ある商品の最早日の記録はシステム内でただ一つではなく、デポごとに記録します。 デポは、顧客によって自由に商品が持ちされる店舗デポや、顧客の干渉を受けない倉庫デポの種類があるので、 デポごとに異なる記録を取ることによって、調査回数を減らすことができるからです。
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