※※※ 本マニュアルは旧製品V1のものです。最新版V2はこちらです ※※※

在庫金額強制画面

本システムは、 在庫金額の計算を移動平均法で行います。 この計算方式については、「移動平均法」を 参照してください。

移動平均法は仕入価格の変動を適切に在庫金額に反映させる方法として一般的ですが、 一つ困ることがあります。 それは「入荷しなければ在庫金額は0のまま」ということです。

いっけん当たりまえのようですが、しかし本システムを初めて使用される場合に、 「まだ一つも商品が無い」ということは「まれ」でしょう。 既にいくつかの在庫を抱えているお店が、本システムを導入するものと思われます。 しかし、このような場合に棚卸をしてシステム在庫数を入力しても、 入荷はしていないので、いくら在庫数があろうとも在庫金額は0のままです。

繰り返しになりますが、在庫金額が増えるのは「入荷したとき」のみです。より正しく言えば、 在庫一個あたりの価格が変動するのは入荷処理を行ったときのみになります。

このため、在庫が存在する状態で、本システムを使用開始する場合には、以下が必要になります。

在庫金額強制

在庫金額強制は、現在の在庫金額を無視して強制的に商品に設定されている仕入価格と運賃を 在庫金額とするものです。例えば、いまAという商品の 仕入価格標準運賃を以下のように設定してあるとします。

そしていま、A商品の在庫数が8個であるとします。

本システムを使い始めた場合

最初の棚卸でA商品の在庫数は8個と設定したとします。しかし、その一個あたりの在庫金額は 商品価格も運賃も0円です。入荷を一切していないからです。

ここで在庫金額強制を行うと先の価格が適用され、1個あたりの在庫商品金額は500円、 運賃分は0円と設定され、全部で(500 + 0) × 8個 = 4,000円という在庫金額になります。

本システムを使用途中のとき

使用途中で在庫金額強制を行うと、それまで移動平均法で計算されていた在庫金額はすべて破棄され、 強制的に「(500 + 0) × 8個 = 4,000円」というデータになります。 この点には十分ご注意ください。

強制される価格の日付

価格の履歴と予定 で説明したように、本システムでは一つの商品の一つの種類の価格、例えばA商品の標準仕入価格は 履歴を持っています。在庫金額強制にて強制される価格は、 「本日に適用される価格」です。